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2017-09

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いのちをいただく

「いのちをいただく」
坂本さんとみいちゃん      文責 助産師 内田美智子

坂本さんは食肉加工センターにお勤めです。
牛や馬を屠殺して解体するお仕事です。
坂本さんはこの仕事がずっといやでした。
「いつかやめよう、いつかやめよう」と思いながら仕事をしていました。

子どもが小学生の頃、授業参観がありました。
いつもは奥さんが行くのですが、その日はどうしても行けなくて、
「お父さん行って来てよ」と言われ、坂本さんが行きました。
授業では先生が子ども達に、
「お父さん、お母さんの仕事を知っていますか?どんなお仕事ですか?」
と一人ずつ尋ねていました。
坂本さんの子どもの番になりました。
坂本さんは子ども達に、ほとんど自分の仕事の事を話していませんでした。
だから、自分の子どもは何と答えるのだろうと思っていると、
子どもは「肉屋です。普通の肉屋です」と言いました。
坂本さんは「そうかぁ」と思ってそのまま帰りました。

家で子どもの帰りを待っていると、帰ってきた子どもが
「お父さんが仕事ばせんと皆が肉ば食べれんとやね」、と言いました。
坂本さんが不思議に思って聞くと、帰り際、担任の先生に呼び止められて
こう言われたというのです。
「坂本、何でお父さんの仕事ば普通の肉屋て言うたとや?」
「ばってん、カッコわるかもん。一回、見たことがあるばってん、
 血のいっぱいついてからカッコわるかもん」
「坂本、おまえのお父さんが仕事ばせんと、
 坂本も先生も校長先生も会社の社長さんも肉ば食べれんとぞ。すごか仕事ぞ」
「お父さんの仕事はすごかとね」という子どもの言葉を聞いて、
坂本さんはもう少し仕事を続けようかなと思いました。

そんなある日、一日の仕事を終えて事務所にいると、
一台のトラックが会社の門をくぐってきました。
荷台には、明日屠殺される予定の牛が積まれていました。
坂本さんが「明日の牛ばいねえ~」と思って見ていると、
助手席から十歳くらいの女の子が飛び降りてきました。
そして、そのまま荷台に上っていきました。
坂本さんは、危なかねえと思って見ていましたが、
しばらくしても降りてこないので、心配になってトラックに近づいてみると、
荷台でその女の子が牛の腹をなでながら話している声が聞こえました。
「みいちゃん、ごめんね~。みいちゃんごめんね~。
 みいちゃんが肉にならんとお正月が来んて、じいちゃんの言わすけん。
 みいちゃんば売らんと皆が暮らせんけん。
 ごめんねえ。みいちゃんごめんねえ~」
といいながら一生懸命牛をさすっているのが見えました。
坂本さんは「見なきゃよかった」と思いました。

遅れて運転席からおじいちゃんが降りてきて、
「坂本さん、明日はよろしくお願いします。
 みいちゃんはこの子と一緒に育ちました。
 だけん、ずっとうちに置いとくつもりでした。
 ばってん、みいちゃんば売らんと、
 この子にお年玉もクリスマスプレゼントも買ってやれんけん。
 よろしくお願いします」
と坂本さんに頭を下げました。
坂本さんはまた、「この仕事はやめよう。もうできん」と思いました。
そして思いついたのが、明日の仕事を休むことでした。

家に帰ると子どもがいたので、
今日のことを誰かに話したくて子どもに話しました。
そして、
「お父さんはみいちゃんを殺すことはできんけん、明日は休もうと思っとる」
と言うと子どもは「ふ~ん」と言うだけでした。

するとその夜、子どもと一緒にお風呂に入っていると子どもが
「お父さん、背中ば流してやる」言って、背中を流しながら、
「お父さん、お父さんがしてやった方がよかよ。
 心の無か人がしたら、苦しむけん。おとうさんがしてやんなっせ」。
坂本さんは黙って聞いていましたが、それでも決心は変わりませんでした。

朝、子ども達が出かけるのを、まだかまだかと待っていました。
やっと出て行ったのでホッとしていると玄関がまた開いて、
「お父さん、今日は行かなんよ、わかった?」と子どもが叫んでいます。
坂本さんは思わず「わかった」。
その声を聞くと子どもは走って学校に行きました。
そして奥さんが「あーあ、子どもと約束したけん、行かなね」。
こうして坂本さんは行くことになりました。

会社に着いても気が重くてなりませんでした。
でも早く着いたのでみいちゃんをそっと見に行きました。
するとみいちゃんは、他の牛がするように角を下げて
坂本さんを威嚇するようなポーズをとりました。
坂本さんは迷いましたが、そっと手を出すと、
最初は威嚇していたみいちゃんも、
次第に坂本さんの手をくんくんと匂うようになりました。

そこで坂本さんが
「みいちゃんごめんよ~。みいちゃんが肉にならんと皆が困るけん。ごめんよう」
と言うと、みいちゃんは坂本さんに首をこすり付けてきました。
それからずっと坂本さんは、女のこがしていたように腹をさすりながら
「みいちゃん、じっとしとけよ。動いたら急所をはずすけん、
 そしたら余計苦しかけん、じっとしとけよ。じっとしとけよ」
と言い聞かせました。

屠殺の時が来ました。
坂本さんが「じっとしとけよ、みいちゃん、じっとしとけよ」と言うと、
みいちゃんはちょっとも動きませんでした。
その時、みいちゃんの大きな目から涙がこぼれ落ちるのを見ました。
坂本さんは牛が泣くのを初めて見ました。
そして坂本さんが銃で急所に打ち込むと
ちょっとも動くことなくみいちゃんは倒れました
(普通は牛が何かを察して頭を振るので、急所から少しずれることがよくあり、
 倒れた後に大暴れするそうです)

翌日、肉を引き取りに来たおじいちゃんが言いました。
「坂本さんありがとうございました。
 昨日、肉ば少しもらって帰って、みんなで食べました。
 孫は泣いて食べませんでしたが、
 『みいちゃんのおかげでみんなが暮らせるとぞ、食べてやれ。
 みいちゃんにありがとうと言うて食べてやらな、
 みいちゃんがかわいそかろ?食べてやんなっせ』って言うたら、
 孫は泣きながら『みいちゃんいただきます。おいしかあ、おいしかあ』て、
 言うて食べました。ありがとうございました」。

坂本さんは、もう少しこの仕事を続けようと思いました。

***************************************

この絵本を小学二年生の娘の読書感想文の本にしました。
課題図書もあったけど、やっぱり今の時期に読んで欲しいと思ったからです。

ただ、この絵本は僕ら大人の心にも響く大変素晴らしい本だと思います。
日本の食生活の上で、残飯って沢山出ますよね?
年間どのくらいの量が残飯として捨てられているかご存じでしょうか・・・

その量は年間2000万トン以上。
1日1800kcalで生活している発展途上国での3300万人の年間食糧に相当するそうです。

ご飯を食べる時の「いただきます」、食べ終えた時の「ごちそうさま」。

あなたの命を頂戴し、わたしは生き延びることが出来る。
いのちを繋げることが出来るのです。

この意味を世界中の70億人が、ちゃんと理解してないと大変な世の中になってしまいます。

********************************************

皆さんはエビングハウスの忘却の理論をご存じでしょうか?
人はいいことも、わるいことも時と共に忘れてしまう生き物ですよね。

それは、人が新しいことを吸収したとしても
 20分後に42%を忘却し、

 1時間後に56%を忘却し、

 1日後に74%を忘却し、

  1週間後に77%を忘却し、

 1ヶ月後に79%を忘却してしまうのです。

だからこそ繰り返し伝える意味が僕はあると思うのです。

実はこの「いのちをいただく」という絵本。
二年前からブログとIGで色んな人に紹介してきました。

二年前にブログに掲載した際、小学校で読み聞かせをしていた女性が共感してくださり、
学校で児童で紹介して頂いたことがあります。嘘のようで本当の話ですが事実です。

このように自分が大切だと感じたことは声に出して伝える必要があり、
何か吸収した際は繰り返し思い出す必要があると思います。

毎日、陽が当たるように沢山の尊い命が生まれる影で、
その命を繋げる為に犠牲になっていく別の尊い命達があるのです。

それを知るか知らないか、伝えるか使えないか。

あなたはどちらを選びますか?

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● COMMENT ●

この話を読んで
ほんまに心が悲しくなりました。
当たり前のように食べてるものに命があること、そのことに感謝することの大切さを学びました。急いでる時とかいただきます、ごちそうさまでしたってあんまりゆえない時があるから、これからはちゃんとそういうことを大切にしようと思います。
悲しくなったと同時に
心が温かくもなりました(*^^*)
いいことを知れてよかったです♪

すっかりご無沙汰でしたが読みにきました。私のありふれた日常が他の生き物の犠牲によって成り立っている。改めて考えさせられる話でした。高校の授業で(たぶん今は色々な問題で教材にはなってないでしょうが)鶏を卵から育てて食べるまで、という内容のビデオを見たことがあります。小学生か中学生が雛から育て鶏の最期に手を下すまで。鶏の悲鳴に最後は目を塞ぎながら見た記憶があります。忘れかけていた大切なことを思い出させてもらいました。

おはよう。

とても大事な事だね、僕も忘れかけていました。
教えてくれて、ありがとう
思い出せてくれて、ありがとう

伝えます!

henryさんへ

henryさん、コメント遅くなってすみません。
最近思うことは日本人で良かったってこと。
生きてるうちに自分の腹に入るのが日本食で良かったってこと。

もともと食育がちゃんと出来ている日本人だからこそ食に感謝出来る
と思います。ただ思い出せばいいこと。
簡単なことなのかもしれません♪

mackyaprilfullさんへ

僕も悲しい反面、とても心が温かくなりました。
それは生と死を両方感じることが出来たからだと思います!
人は忘れていく動物、、、忘れても思い出すことが出来るのも人間。
思い出すきっかけをくれた本は一生ものの本だと感じています!

みずふくちゃん、お久しぶり(*^_^*)

言われる通り、生と死を目の当たりにするのはキツイですね。
僕はあまりそんな経験はありませんが、やっぱり大切なおじいちゃんが
亡くなっていくのを見た時は言葉には言い表せない位悲しかったです。
それを見守るおばあちゃんの姿を見るのもとても苦しかった。。。
でも自分の娘が生まれた時、それは反対にこの上ない喜びがありました。身近なところでも生と死がちゃんとあって、それが日々見えないところで起きてるんですよね?
せめて食に感謝し、毎日のこさず食べる。
これは最低限のルールなことなのかもしれません。

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Kočičkaはチェコ語。
ネコヤナギの木を意味します。
花言葉は「自由」、「努力が報われる」、「親切」。

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